「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫とスチュワードシップ責任を果たすための方針

フィデリティ投信株式会社(以下、「フィデリティ投信」)は、「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を受入れることを表明します

フィデリティ・インターナショナルは、FILリミテッドおよびフィデリティ投信を含むその子会社(以下、総称して「フィデリティ」)で構成され、英国、欧州、中近東およびアジア太平洋地域で資産運用サービスを提供するグローバルな資産運用会社です。ここに、フィデリティ投信の日本版スチュワードシップ・コードへの遵守状況を開示します。

原則 1
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

『フィデリティの運用哲学』

PEOPLE - フィデリティの礎
フィデリティには人によって築かれ、世代や地域を超えて引き継がれ、実践されるゆるぎない真の価値があります。ビジョンと信念をもって正しいと思う道を貫き、誠実を旨とし、ただひたすら仕事に打ち込むことで生まれる真の価値です。創業者の常識を覆す発想にはじまり、成功に満足することなく常に改善を求める姿勢。卓越したポートフォリオ・マネージャーたちを生んだ徹底した調査と分析に基づく運用手法。これらすべてが現在のフィデリティの礎となっています。

PHILOSOPHY - 運用哲学
創業以来の方法である“ボトム・アップ・アプローチ”はフィデリティの運用哲学の根幹です。この手法を徹底して繰り返し、投資判断を支えます。創業者が提唱したひとりひとりが自由に運用力を発揮できる仕組みは、多くの卓越した運用成果をあげたポートフォリオ・マネージャーを育てました。“ボトム・アップ・アプローチ”と自らの才能を自由に発揮できる仕組みによって、絶えることなく、フィデリティの運用を支えるプロフェッショナルたちが次々と生まれてゆくのです。

BOTTOM UP APPROACH - ボトム・アップ・アプローチ
“ボトム・アップ・アプローチ”とは、ひとつひとつの企業をあらゆる角度から調査・分析し、その収益予測に基づく運用手法です。この方法がマクロ経済の動向を予測した上で個々の企業の収益予測を行うよりも、長期的には優れた運用成果につながる、というのがフィデリティの考え方です。ことのほかこの調査プロセスは大事であるため、ポートフォリオ・マネージャーへの道は、アナリストとして企業調査の経験を積んだあとに初めて開かれます。しかしフィデリティの“ボトム・アップ・アプローチ”は、徹底したプロセスとその継続性、一貫性によって他とは一線を画しています。運用の根幹を支える“ボトム・アップ・アプローチ“は他の追随を許さない。これがあるからこそ、付加価値を生みだせると確信しているからです。

GO THE EXTRA MILE - 足で調べる
“ボトム・アップ・アプローチ”の基本は徹底した情報収集です。企業経営者とのミーティング、店舗・研究所・工場への現場訪問、さらにはその企業の取引先や顧客、競合企業にいたるまで足を運んで調べます。そこで蓄積された膨大な情報とアナリストの分析力で、ひとつひとつの企業への評価が決まります。企業と徹底的に向き合うのは一度限りではありません。アナリストは担当する企業への評価を定期的に見直します。そうすることで、他より先に企業の成長や変化をキャッチすることができます。世界中のアナリストによるこの地道なやり方で集まった情報やその分析は、世界共通のデータベースでリアルタイムに共有され、ポートフォリオ・マネージャーの投資判断に活かされます。

CUSTOMER FOCUS - 顧客第一主義
お客さまにとって良いサービスや優れた運用成績を提供すること、そしてその結果として運用資産が増えればフィデリティも発展する。これは創業以来、貫かれてきた姿勢です。お客さまとはフィデリティに大切な資産を託す受益者のことです。“We must work for our shareholders(注). (我々は受益者のために尽くす)”。いかに良い運用成績をあげられるか、いかに画期的で利便性の高いサービスを提供できるか。すべてを受益者中心に考えます。米国でフィデリティが大きな発展を遂げたのも、受益者と常に接点を持ってきた結果です。世界中のフィデリティでこの姿勢は貫かれ、常に受益者の声を聞き、そのニーズを理解し、より良いソリューションが何であるかを考えることを忘れません。
(注)フィデリティ発祥の米国では投資信託(ミューチュアルファンド)が会社型であり受益者のことをshareholdersと呼ぶことから、グループ内用語としては米国外で契約型投信の場合でも受益者のことをshareholdersということがあります。

ACT WITH INTEGRITY - 誠実であること
お客さまの大切な年金や金融資産を預かる運用会社にとって、お客さまの利益を最優先し、誠実に仕事を遂行することが何よりも重要です。それゆえ、高い志を持ち、誠実であることを常に社員に求めています。大切な財産を長期にわたって預かることを前提とし、提供する商品が健全な投資原則に基づいて運用されているか、商品性は理解されているのだろうか、お客さまの信頼を裏切らないため、誠実に取り組むことを忘れてはならない。時代のトレンドに追随するような商品を、必ずしも積極的に提供しない理由はここにあります。誠実な行動でお客さまの信頼を得る、これがいちばん大切なフィデリティの眼に見えない資産であると考えます。

フィデリティ‐日本の未来を確信し日本を応援している会社
(「THE FIDELITY BOOK - 運用哲学の礎」より)

フィデリティは上述の運用哲学に則り、ポートフォリオ運用に係る投資判断、株主総会における議決権行使、投資先企業あるいは投資候補先企業の経営陣との継続的対話を通じた、アクティブ運用を推進しています。

フィデリティは顧客にご満足いただける運用実績を提供することを最大の目的としており、そのために投資先企業について長期的視点で多面的に理解するように努めています。

フィデリティは、社会的責任への意識が高い企業は事業においてもその理念が活かされ、結果的に、企業価値の保全および運用成果の向上につながると信じています。

こうしたフィデリティの考え方とコーポレートガバナンス・コードの精神は一致していると考えます。その上で、企業がコーポレートガバナンス・コードにおいて、コンプライではなくエクスプレインを選択した場合、その説明を一つ一つ注意深く精査します。

アナリストは投資判断プロセスにおいて、投資リスク・投資リターンに重要な影響があると判断した場合、環境、社会、ガバナンス(ESG)課題を考慮します。

フィデリティでは独自の調査プロセスを通じ、投資対象企業に関係のあるESG課題を把握し、また、企業価値を脅かす可能性のあるESG課題を特定するよう体制を整えています。

責任投資の一環として、フィデリティはESG評価に基づく投資不適格企業の指定を行い、こうした企業を投資対象から外すこととしています。

ESG評価尺度の選定においては国際協定、法令や指令に従い、また、専門機関の調査報告などを参考にしています。

投資不適格企業リストは、緊急見直しの事由が発生しない限り、半年毎に見直されます。<フィデリティ投資不適格指定方針フレームワークについてこちらをご覧ください。>

https://www.fidelity.co.jp/fij/about/governance/framework.html

フィデリティの経営陣からなるESGオーバーサイト・グループが、投資不適格指定方針の基準やその運用を監督し、フィデリティ取締役会の承認を得ています。

ESG分析は株式・債券・不動産の各チームのアナリストによって行われますが、ポートフォリオ・マネージャーも主体的にESG要素の潜在効果を考慮し投資意思決定を下しています。

投資先企業あるいは投資候補先企業の経営陣とこうしたESG課題について建設的な対話に臨んでいます。

こうした対話を通じて得られた理解を投資判断に活かすだけでなく、対話を通じて経営陣にESG課題への取組方針や具体的方策の改善について働きかけます。

フィデリティは、企業が社会的責任に対する意識を高め、企業価値の向上に具体的に取り組むためにはこうした働きかけが最も効果的な方法だと信じています。

フィデリティではESG関連情報の収集やデータベース化など現場でアナリストを支えるESG専任チームが設置されており、同チームは議決権行使も担っています。

フィデリティ投信においては、日本株チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)の下でヘッド オブ エンゲージメントがグローバルESGチームの一員として運用チームとの緊密な連携を図っています。

ヘッド オブ エンゲージメントは、通常のIRミーティング以外のあらゆる対外的窓口として様々な対話に臨みます。

こうした対話の相手には、上場企業のCEO、会長、社長、代表取締役、社外取締役、監査役の他、規制監督当局、弁護士、経営コンサルタント、当該企業の顧客、メディア、その他企業統治改革関係者などを含みます。

原則 2
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

フィデリティ投信はFILリミテッドの日本法人子会社であり、FIL リミテッドは本邦会社法における指名委員会等設置会社に相当する機関設計を採用しています。2017年6月現在、取締役会は9名の取締役で構成されており、そのうち独立社外取締役が5名おり、非上場会社にもかかわらず独立性の高い監督の仕組みを整えています。

フィデリティは特定の企業グループに属するものではなく、いわゆる株式の政策投資を行っていないため、議決権行使における利益相反が生ずる可能性は極めて限定的です。以下のような利益相反の可能性が想定されますが、それぞれ体制を整えて管理しています。議決権行使については、国際保証業務基準(ISAE)3402および英国の内部統制基準であるAAF(Audit and Assurance Faculty)フレームワークに則り年1回外部第三者機関による監査が行われ、独立社外取締役が過半数を占めるフィデリティの取締役会に年2回報告されています。そのため、利益相反管理すべき議案の行使に係る審査を行う第三者委員会を設置しておりません。 

フィデリティでは世界各地のビジネスにおいて遵守すべき共通した「利益相反に関する基本方針」を策定、これを定期的に見直すことにより、フィデリティと顧客との間、また顧客間の利益相反を適切に管理する体制を整えています。

受託者責任の観点から、受益者の利益に反する行動をしてはならないという忠実義務(利益相反防止義務)を負っており、フィデリティと顧客との間はもちろん、顧客間の場合でも公平公正を保全する義務があります。また、法令遵守の観点からも顧客間の公平公正を担保する義務を負っています。

想定される利益相反は、各ビジネス部門の責任者への定期的な面談や研修、内部での検証等様々な方法を通じて把握されます。

全ての役職員は「利益相反に関する基本方針」、「行動規範」および関連する社内規則を遵守する義務を負っており、顧客の利益がフィデリティならびに全ての役職員自身の利益に常に優先することを徹底しています。

そのためにフィデリティでは、利益相反に関する事象を特定し回避する方策を定めています。

利益相反管理すべき事象:

  • ⅰ) 投資行動
    フィデリティ傘下にある会社はその自己資金を株式や債券に投資することがあります。その際に、フィデリティが顧客の運用資金を投資している対象と同じ対象に投資する可能性があります。

    こうした場合、当該有価証券の売買、議決権行使、調査情報の活用などにおいて利益相反が発生する可能性があります。

    利益相反を回避するためにフィデリティの自己資金運用は別法人として組織的に隔離され、かつ、情報が遮断されています。

    フィデリティが顧客向けに運用するファンドまたは口座において、顧客企業が発行した有価証券を保有する場合もありますが、常に当該ファンドまたは口座に対する忠実義務を果たす意思決定をしています。
  • ii) 約定結果の配分
    フィデリティでは、信託財産の運用において、複数の信託財産にまたがる有価証券の売買の注文が同一条件(有価証券の種類および銘柄、売買の方向、取引の種類、並びに執行する価格(価格帯を含みます)が同一のものをいいます。)であるものについては、これら複数の注文を束ねる、いわゆる一括発注により発注します。これは同一銘柄の注文を一括発注することにより信託財産間の公平を図りつつ、効率的な売買発注に資するためです。

    一括発注において発注数量が一部出来(総約定数量が総注文数量を下回る)となった場合、予め社内で定めた配分基準により各信託財産への約定配分を行います。尚、運用を委託している信託財産については、委託先の配分方法に準じて配分されます。

    顧客資産間の公平性は、売買取引監督、コンプライアンス、内部統制・リスク管理の三重構造で検証されています。
  • ⅲ) 議決権行使
    フィデリティと利益相反が生じる可能性のある議決権行使に関しては、利用する主要な外部リサーチ提供者の推奨に従って行使を行うか、かかる推奨がない場合には議決権を行使しないこともあります。

    ヘッド オブ エンゲージメントは議決権行使に関して利益相反の可能性を監視する責任を負っています。

原則 3
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

フィデリティの投資調査はボトム・アップ・アプローチという方法で行われます。

アナリストまたはポートフォリオ・マネージャーが例外なく投資対象企業と面談した上で投資を実施しています。面談だけでなく店舗や工場見学、電話による情報確認など、アナリストは担当業種のバリューチェーンを網羅する専門家として幅広い知識を備えることが求められます。

アナリストとポートフォリオ・マネージャーは財務分析に加え、投資候補先の定性分析を行います。

定性分析には、ビジネスモデル、顧客、取引先の精査が含まれ、企業訪問によって投資先企業一社一社の個性の把握に努めます。こうした調査の視点にはESGの要素も組み込まれています。

産業調査や企業調査の上で考慮するESG要素として、以下のようなものが挙げられます。

  • コーポレート・ガバナンス(例えば、機関設計、取締役会の実効性、委員会の実効性)
  • 資本効率(例えば、現預金の使途、事業の進退)
  • 規制変化(例えば、情報開示、事業再編、税制)
  • 重要な経営資源に対する脅威(例えば、人材、立地、水資源)
  • ブランドや風評問題(例えば、リコール、労働環境、サイバーセキュリティ)
  • サプライチェーン管理(例えば、死亡災害、休業災害、人権)

アナリストは投資先企業とのコンタクトの中心となる存在で、独自のファンダメンタル分析に基づき、投資先企業または投資候補先企業への投資判断を表すレーティングを付与する責任を担っています。

企業とのミーティングにはポートフォリオ・マネージャーとアナリストの双方が参加することが多く、基本的には長期的な業績に焦点を当てた対話を行います。短期的な業績については長期的観点の投資理由の見直しが必要か否かの判断材料として参考とします。

フィデリティでは毎年膨大な数の企業とのミーティングを実施していますが、同一企業と複数回にわたり継続的に入念な対話を行うことで、企業価値の向上がなされているかを確認しています。

経営陣との対話の内容には、企業価値および株主の投資リターンの向上を目的とした広範囲にわたるテーマ(事業戦略、競合環境の展望、資本政策、およびコーポレート・ガバナンスに関する課題)が含まれます。

外部ESG専門機関によるESG評価と調査レポートはフィデリティの調査データベース(RMS)にデータフィードしており、アナリストおよびポートフォリオ・マネージャーは常に最新情報を入手できる体制となっています。

加えて、ESGレーティングはアナリストが発行する調査レポート(社内限り)の「発行会社の基本情報」欄に掲載されており、投資判断の重要情報として活用されています。

投資先企業についての訴訟、不祥事、不正など、ビジネスへの悪影響や風評問題に発展する可能性のあるアラート情報についても外部ESG専門機関から迅速にデータフィードする体制となっています。

フィデリティ社内アナリストによる企業評価と外部ESG専門機関の活用によって、双方の評価結果の差異を浮き彫りにすることができ、さらにその差異の原因を調査することによって精度の高い企業価値評価に役立てています。

入念な調査によって投資先企業を正しく理解することにより、事業戦略の成果を投資リターンとして享受するまで待つことが可能になると考えます。そのことを励行するために、週次、月次、四半期毎に数々の情報共有・意見交換の場を設け投資先企業の事業機会や注意すべき課題を確認しています。

運用する個々のポートフォリオについても四半期毎にチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)とリスク分析担当者によるレビューが行われ、リスク特性、ボラティリティ、パフォーマンス、投資先企業と保有状況など、詳細にポートフォリオ・マネージャーの説明力が試されます。

投資先企業について何らかの懸念が生じた場合、あるいは経営課題についての認識を確かめる際には、経営陣または社外取締役との面談を申し入れます。

こうした経営陣、社外取締役との面談には、ポートフォリオ・マネージャー、アナリスト、ヘッド オブ エンゲージメントが参加し、通常その議題にはESGに関する事項が含まれます。

経営戦略に関する議題はもちろんのこと、取締役会の実効性や経営のサクセッション・プランなども議題となります。

こうした議題の場合、年に何度も対話することは稀ですが、何らかの経営改革を求めているような場合は、経営陣または社外取締役の中で同一人物と継続して改革の進捗を確認していきます。

議題によっては、社外監査役や監査委員または監査等委員を務める社外取締役と面談し監査や内部統制を含むリスク管理に関わる課題や取組について意見交換を行います。

原則 4
機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

「エンゲージメント」とは、専門家としての見識と責任を持ち、意見交換によって経営課題の共通理解と課題解決への取組みを互いに確認することであると定義しています。

エンゲージメントの目的は、上場企業の競争力強化による成長性と収益性の向上にあります。そのために、継続的に価値向上に取り組む、または価値創造企業に変わる可能性のある企業とエンゲージメントし変革を促すことに努めています。アクティブ運用の立場からは、エンゲージメントによる投資先企業の価値向上はアルファの源泉を創造することであり、また、投資候補先企業への働きかけは、市場に合理的な投資対象企業を増やし、アルファの源泉となる投資対象の選択肢を増やすことでアルファ獲得の持続可能性を高めることです。

経営課題の解決について意見交換する相手は、企業の経営執行の責任者(代表執行役、執行役)、経営監督の責任者(取締役、社外取締役等社外役員)が望ましいと考えます。ただし、エンゲージメントは段階的に互いの理解を確認しながら行うのが効果的であり、通常、入り口はIR担当者であるべきと考えます。企業とエンゲージメントする場合、議題を共有し、一方的な質疑ではなく双方向で行います。議題は、経営課題(戦略、計画、執行、実績)の擦り合わせから始まります。より具体的には、対象となる企業によって様々ですが、ビジネスモデル、事業選択と事業戦略、事業ポートフォリオ、キャピタルアロケーション、資産・負債・純資産の有効活用・合理性、経営資源と資本、株主還元などであり、それぞれが相互に関連しています。

投資(候補)先企業の中長期的な企業価値向上と持続的な成長に寄与することを目的としたエンゲージメント活動の重要性を認識し、当該業務を遂行する専任チーム(ヘッド オブ エンゲージメント/ESGチーム)をフィデリティ内に設置しました。(ESGチームは、2001年からグループ内に配置しておりましたが、今般、チームの呼称を変更したものです。)

ヘッド オブ エンゲージメントはESGに関わる対話の責任者であり、ポートフォリオ・マネージャーおよびアナリストと緊密な連携をとっています。

その活動内容は、週次でCIOに報告されます。

フィデリティの基本姿勢として、投資先企業の経営陣を原則支持し、経営陣との対話は基本的に企業調査を目的としていますが、企業戦略やコーポレート・ガバナンスに関してフィデリティ独自の見解も持つこともあり、場合によってはフィデリティの見解が投資先経営陣と異なることも起こりえます。

フィデリティの見解が投資先経営陣と異なる場合には、経営方針について提言をする可能性もあります。

エンゲージメントの成果は中長期的に実現するとの認識および、エンゲージメントに掛ける効率的時間配分の観点からは、保有継続を前提としています。しかし、ポートフォリオ・マネージャーがエンゲージメントによる課題解決の進展スピードや株価を左右するその他の要因、相対的魅力度の変化など多様なポートフォリオ運用上の理由で売却することに関し何ら制約はありません。エンゲージメントを通じて企業価値向上への確信度が高まり、追加投資する場合もありますが、個々の投資判断はポートフォリオ・マネージャーの裁量で実行されます。

エンゲージメントの議題と株主総会議案は関連する場合もあれば、関連しない場合もあります。株主総会議案そのものがエンゲージメントの議題(例えば、敵対的買収防衛策、ガバナンスの実効性など)になる場合もありますが、経営課題についてエンゲージメントする際に面談した経営陣、社外取締役の適性・資質を評価して取締役選任議案に意思を反映する場合もあります。

経営陣との対話を重ねた上でも依然として企業価値創造への取組が不十分である場合や一般株主との利益相反を是正しない場合など、見解に隔たりがある場合、株主総会にて取締役選任に反対することがあります。

なお、買収案件等において考慮すべき投資先企業が複数存在する場合や、利益相反が生じる可能性がある場合、フィデリティは常にそれぞれのポートフォリオにとって最善の利益になるように行動します。その結果、フィデリティが運用するファンド間でいわゆる不統一行使となることがあり得ます。

原則として、経営陣に働きかけることにより期待される想定利益 (フィデリティのファンドの受益者および顧客へのリターン)が想定費用を上回るときには、経営方針の変更を促すよう働きかけます。

原則 5
機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである

フィデリティは、独自の議決権行使方針およびガイドラインを策定しています。同ガイドラインに基づく議決権行使の事務運用についてのみ外部委託し、システム化されています。

議決権行使については、グローバル全拠点で共有する価値観を踏まえつつ、各地域の状況を考慮した対応を行っています。

自己評価および議決権行使ガイドラインの設定・見直し等については、各地域での知見を共有しグローバルESGチームでとりまとめを行っています。また、毎年のガイドライン詳細見直しに際しては、グローバルESGチーム、CIOおよびポートフォリオ・マネージャーを交えて検討を行っています。

ESGチームが議決権行使案を担っており、議決権行使ガイドラインに沿って議案を独自に精査し行使判断を行っています。

フィデリティは、開示情報の取り扱われ方に留意しつつ、利益相反管理の透明性や投資先企業への議決権行使結果伝達を尊重し期待される説明責任を果たすことに努めます。

定期株主総会議案については、議案を作成する以前の段階からエンゲージメントする場合もあり、また、行使期限直前まで議案について追加説明を求めるなど確認を行っています。例えば、社外監査役候補者の適性を判断するために個別面談を行うこともあります。

さらに株主総会において否決されることもあり得る事案は、ただ株主総会に提出するのではなく、事前に株主と対話するように対象企業の経営陣に促しています。

事前の協議が不調に終わり、会社提案に反対票を投じる場合は、企業側の経営陣に反対理由を理解してもらうよう努めています。

議決権は、常に一般株主(受益者)の利益を最大化するために行使することとしています。

そのために、通常は株主総会に出席して決議に参加することやその場で意見表明することはありません。

コーポレート・ガバナンス体制やESGに関する情報開示について企業と対話する場合にはESGチームが主体となって行うことがあります。

こうした場合にもアナリストにはできるだけ同席を促し、運用チームとESGチームが企業に伝えるメッセージの統合・共有化を図ります。

議決権行使において、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ杜(以下、「ISS」)およびサスティナリティクス社からガバナンス・リサーチ・サービスの提供を受けています。議決権行使の事務手続きについてはISSに外部委託していますが、権利行使の指図はフィデリティ独自の議決権行使方針に従い判断しています。

具体的にはフィデリティ投信の議決権行使ガイドラインをISSに提供し、実際の行使事務はISSがその行使方針に沿って行います。(必要な場合はポートフォリオ・マネージャーとの連携が行われます。)

発行体企業への議決権行使結果の伝達については、従来から株主総会前または事後に適宜行っています。株主総会後の企業との個別ミーティングの際、または、発行体企業からの照会には個別面談や電話で応えることとしています。

フィデリティ投信の議決権行使ガイドラインについては、こちらをご覧ください。

https://www.fidelity.co.jp/fij/about/governance/guideline.html#voting

また、フィデリティ投信のホームページ上に議決権行使結果を四半期毎に開示します。行使結果についてはこちらをご覧ください。

https://www.fidelity.co.jp/fij/about/governance/voting.html

原則 6
機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

フィデリティ投信では、機関投資家顧客から要請があった場合には、年次のガバナンスと業務に関する報告(投資先企業に対して行った対話や行動、スチュワードシップに関するより広範な臨み方についての詳細)に加えて、議決権行使状況に関する報告を定期的に作成しています。

スチュワードシップ責任についての取り組み状況は、年次で発行しているGovernance and Engagement Reportにて開示しています。

原則5に記載の通り、議決権の行使結果をフィデリティ投信のホームページ上に開示しています。

原則 7
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

フィデリティでは、定期的にアナリスト研修・スキル強化研修を行っておりESGは研修科目の一つです。これらに加え、適宜、様々なESGに関する環境変化やイニシアチブの進展、フィデリティの戦略などについてトレーニングを実施しています。

ESGチームは、外部セミナーへの参加や関連会議へ出席しESGに係る動向把握やESGインテグレーション改善への示唆などを収集しています。

フィデリティは特定の企業や特定の産業、または、特定のテーマについて調査を外部委託することがあります。

世界各国で様々な外部専門機関の調査を活用しており、ESGにおいても外部ESG専門機関と契約し自前の独自調査を補強しています。

前述した通り、エンゲージメントの目的は、上場企業の競争力強化による成長性と収益性の向上にあります。そのために、継続的に価値向上に取り組む、または価値創造企業に変わる可能性のある企業とエンゲージメントし変革を促すことに努めています。

投資(候補)先企業の中長期的な企業価値向上と持続的な成長に寄与することを目的としたエンゲージメント活動の重要性を認識し、当該業務を遂行する専任チーム(ヘッド オブ エンゲージメント/ESGチーム)を運用本部内に設置しました。

ヘッド オブ エンゲージメントはESGに関わる対話の責任者であり、ポートフォリオ・マネージャーおよびアナリストと緊密な連携をとっています。

フィデリティ投信は日本法人子会社であるものの、運用部門はフィデリティ・インターナショナルのグローバル一体運営の下活動しております。フィデリティ・インターナショナルのグローバルCIO(株式担当)の下、各地域に地域担当CIOを配し、ポートフォリオ・マネージャー、コーポレート・ガバナンス担当者を指揮・監督しています。また、グローバルCIO(株式担当)の下にグローバルリサーチの統括責任者を置き、各地域の調査部が連携する体制となっています。各地域担当CIOの下に置かれているESGチームもグローバルで連携する体制を整えています。

2017年10月
フィデリティ投信株式会社

お問い合わせ先
フィデリティのスチュワードシップに関する取り組みについてのご質問は、下記メールアドレス宛にメールにてお問い合わせください。
Japan-ESG-Inquiry@fil.com